ききみみずきん

日本昔ばなしより 作:雲母 改訂・演出:藤木朱実

ものがたり

   むかし、むかしの物語。ある村に、力はあるのに何をするのも、いやだ、いやだと言う、や太郎という少年が住んでいました。村人たちは、や太郎のことをやだ太郎と呼び、や太郎には母さんもとんと困っておりました。

 そのことを知った、ちょっと修行が足りないので大仙人になれない仙人は、や太郎を懲らしめてやろうと、分身の術を使って、や太郎を岩の中に閉じ込めます。

 そして、これから「やだ」と言ったらいつでも岩の中に閉じ込めてしまうぞ!とおどします。ところが、そこに仙人の大の苦手が現れて・・・。

 仙人の窮地を救った太郎が仙人からもらった物とは、動物や木や風と話ができる「ききみみずきん」でした。

 

 村は日照りで水が無く、お百姓さんたちも動物たちもみんな困っておりました。とんがり山の石を取り除くと水が出ることを知った動物たちは相談します、その石を取り除こうと…。そして、動物たちと話が出来るようになった太郎に、一緒に行ってくれるように頼みます。「やだ!と言ったら岩の中!」と言う仙人の声に、や太郎は渋々承知し、一緒にとんがり山へと向かったのでした。

 とんがり山の岩はなかなか動きません。動物たちもあきらめて帰ろうとしたその時、や太郎が歌い出します。

がんばろう、がんばろう、もう一度、みんなでがんばろうよ、力をあわせば、きっと動く…と。それにつれて、動物たちが歌い出します。そして、や太郎と動物たちのがんばろうよ の大合唱が!


登場人物

・や太郎

・お母さん

・仙人

・狐のコン吉

・猿の赤丸

・兎のぴょん子

・狸のたぬべえ

・山姥

上演時間:65分(休憩なし)